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「何それ!あっそうそう、ちょっと前にした小テスト、採点したんだけど……」
言いにくそうに先生が俺から視線を外す。
ん?ああ、あの20問の奴か。
2、3問わかんなくて空白で提出したけどあとの問題は全部書いたから結構自信がある。
嫌いだからて言っても結構すらすら解けて、天才か、俺!!なんて思ったもんな。
「俺結構自信あったんだけど!何点だった?」
「ここで言っていいの?授業中に返そうと思ったんだけど…」
「いいよ、言って!自信あるって言ったでしょ」
俺は笑顔で 「早く」 と促す。
「あー……0点だったわよ?」
いきなりの0点と言う衝撃告白に笑顔が引きつる……大翔達がクスクス肩を揺らす。笑いこらえてるのが丸わかりだ。
「……まじで?」
そりゃ勉強してねえし古典嫌いだけど、結構すらすら解けたって!!
ウソだろ?!0点なんてとれるもんなのか?!それはねえだろ……
「解答欄間違えてたわよ?それに、解答欄がずれてなかったとしても、ひどい点数なのは確かね。さ、授業始めましょうか!席についてね?小林くんにもわかりやすく授業するから!」
先生は軽く笑ったまま先に教室に入っていく。
解答欄……それがなくてもひどい点数……
「行くぞバカ者。」
「行くでアホ。授業や!」
「うっせえ!!」
みんなに散々言われ、大翔の大笑いを背中に浴びながら俺は席についた。
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