1章

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「さ、今日の授業はこの前の続きから。」 授業が始まる。 前の続きって……俺寝てなかったか?先生は黒板に文字を書きながら話をしている。 ノート……とりあえず開いてみるものの真っ白。 「……か、佳奈ちゃん、授業今なにやってんの?」 小声で話しかけた隣の席の佳奈ちゃんは結構頭がいい。 佳奈ちゃんが横で何度助けられたことか…… 少し笑って小さな声で”ここ”と教科書を指さしてくれたから急いで教科書を開いた。 「なんだこれ?」 「小林くん……」 「あ、やべ……」 思わずでかい声で言ってしまい先生が呆れたような目で俺を見る。 「何かわからないとこあるの?」 「……全部。」 先生がぽかんと口を開いて動きを止める。 だから……俺古典は嫌いなんだよ…… 「せんせー、暁アホやからしゃーないわ!」 「煩いよ、タケル。」 手をあげて発言するタケルを睨むと、舌を出して俺を見ている。 嫌いなものは嫌いだし、わかるはずがない。 テストはすべて直感だ! あれ?でもこれいいチャンスじゃね!?
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