序章

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「面白そうだとは思うけど大翔かタケルか竜二がやれよ。なんかめんどくさい」 「俺はだめ!俺のターゲットはもう決めてんの!」 「は?」 「近くにさ金持ち学校あるだろ?そこの女を俺が口説くから、暁が先生な!タケルにもさせる気だけど、竜二は好きな奴できたらしいから無理なわけ。わかる?」 俺を指差して、淡々と説明をする。 口をはさむ暇がない。 ったく、バカ……ん? 「え?!竜二に好きな奴?」 「あ、そこ食いつく??まあそれはおいといて……。やんのか?」 「え?……お前とタケルもすんのか……ちなみに賭金は?」 みんなすんなら別に俺だけがめんどくさいわけじゃねえし…… 大翔は人差し指を立て俺の顔に近寄せる。 「なんだよ、この指……」 俺はちょっと後ろに体を仰け反らせそれを掴む。 「暁は先生ってリスクがあっから一万!」 「やる!」 「早っ!!つか指、力入れすぎ!」 人差し指を俺の手から引っこ抜き大袈裟に振りながら「いってぇ」と指に息を吹きかける。 「悪い悪い!一人1万、計3万計算だろうな?!」 「もちろん」 いつもはうまく口説いて付き合えれば千円。 それ×3で3千円しか手にはいらねえ。 けど今回は3万!! 「今欲しいネックレスがあるんだよ。その金で買う。」 「何?もう口説ける気でいんの?気がはえーよ!」 「うるせえよ。で大翔とタケルの賭金は?」 「俺はいつも通り千円。だって簡単そうだし!タケルは2千円。」 俺が一番高いな。 欲しい物が頭の中に浮かぶ。あのネックレスが俺のものになる日もそう遠くない。
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