二人だけの時間

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…て、 着いたのは本屋さんで。 「なんか読みたい本、あるの?」 「ん?ちょっとな!!唯帆、適当に本読んで待ってて」 「???はぁい」 奏は、 どこかに行ってしまった。 ハッキリ言って…、 寂しいし虚しい…。 「…は、れ?」 あたしはふと、目の前にあった 雑誌を手にとった。 《今こそ告白っっ!!脱・幼なじみ♪》 大きな字でそう書いてあって。 「…はぁー」 雑誌をパラパラしながら、 大きな溜め息をひとつ。 今こそ告白っっ!!って… 脱・幼なじみ♪って…、 無理に決まってんじゃん。 告白がうまくいく、とか。 奏と両思いになれる、とか。 ありえないから。 今はただこの笑顔を、 「お待たせっ」 一番近くで見れるだけで。 それだけで、十分。
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