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助手席の窓ガラスを叩く音がして、目が覚める。
ガラスの向こうに笑いながら立つ彼がいた。
少し日に焼けて、痩せたように見えた。
『入れてくれないの?』
『あっ…ゴメン。今、鍵開ける。』
久々に合わせる顔。
久々に聞く声。
なんだかドキドキして、なかなか目を合わせることが出来ない。
ドアが開き、彼からの第一声。
『今回のこと…ホントにごめんなさい。』
『えっ?』
キチンと顔を見て謝りたかったと。
『勉強になりました』
と、ふざけた応え。今はそんな言葉が私には精一杯だったのだ。
彼は真剣に謝り続ける。
もう過ぎたことだから、謝らないでと伝える。
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