異変

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汗が… 涙が… 痛い…… お腹の激痛に、今度は涙がこぼれる。 『ごめんなさい…病院に電話して……お願い……お腹が痛いの…恐い…助けて』 背中に向かって、必死に声を出す。 『平気だろ?少し様子見ろよ?寝れば治るだろ?』 私は耳を疑った。 『平気ぢゃないょ?こんなに痛くなるなんて…赤ちゃん、ダメになったらヤダ…お願いだから』 『うるさい…自分で電話して病院に行けよ。仕事だから寝るから』 心が泣いた瞬間… 赤ちゃんは自分で守らなきゃ… とにかく電話して…… 電話して…… 乱れた格好から支度して…病院に向かう…泣きながら。 ママは強いからね。お腹の赤ちゃんにゴメンね、泣いてる場合ぢゃないね… そう…二人なんだから頑張らなきゃ。 強くなった瞬間だった… そして、心に一生の傷がついた瞬間… ママは、決して今日のことは忘れない…
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