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「僕がバイトを始めたのは、欲しいものがあったからなんだ。」
そういって立ち止まったのは、アクセサリーショップの前。
「ショーウィンドウの中、見てごらん?」
「…あっ…」
そこには、波と貝殻をモチーフにした、ペアリングがあった。
黙ってシンに振り向くと、シンは困ったように笑っていた。
「内緒にしておくつもりだったんだけどなぁ。」
「シンっ…!」
私はシンに抱きついた。
「ごめんね、ごめんね…。」
シンはまた頭を撫でてくれる。
安心できる、シンの手。
そして私はまた、あの家に帰った。
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