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僕の前の席には
頭を丸めている不良じみた20代位の男と
メガネをかけた30代位のほっそりとした男が
それぞれ座席の両端に座っていた。
僕はケータイ電話を取りだし暇を潰した。
……………
「えー、
まもなく香芝に到着します
お降りの方は足元にご注意ください」
もう次の駅か…
しばらくすると
電車はゆっくりと音をたてながら停止した。
プシューー
車両の扉が開いた。
しばらく時間がたったが
誰も乗って来なかった。
誰もいないんだから
早く出ろよなぁ~
と僕が思った瞬間だった。
スーツ姿の男が
おぼつかない足取りで
車内に入り込んできた。
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