9/22 PM9:00 山岡 圭介

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とっさに僕はその席から 立ち上がり 車両の後ろの方へ移動した。 その男が嫌な雰囲気を出していたからだ。 アイツは吐く… そんな気がした。 僕は昔 電車の中で酔っ払いに ゲロを吐きかけられたことがあって それ以降 僕は酔っ払いには近づかないようにしているのだ。 しばらくその フラフラした男を遠目から見ていると 坊主頭の男に その男は近づいていった。 吐くぞ…吐くぞ~ あのチンピラ 絶対キレるぞぉ~ 僕は 少しウキウキしながその光景を目にしていた。 「う゛う゛ウオェェェエ!!」 僕の 予想は的中! 酔っ払いは チンピラ男の目の前でゲロを吐き散らし チンピラ男の靴にもゲロが飛び散った。 うわぁ~ キレるぞぉ~ 「オラァ!! テメェなにゲロ吐いてんだよ!! 靴にかかったじゃねぇか!」 やはりチンピラ男がキレその男の胸ぐらを掴み 電車の近くのドアに押し付けだした。 「オラァ、テメェただじゃおかねぇからな! お前この靴いくらしたと思ってんだぁ!」 「う…あ゛あ゛あ゛ぁ」 酔っ払いは唸るだけだ。 「チッ! こいつ喋れねぇくらい酔ってんのか… しゃあねえ 財布だせよ! 今回は金出せば許してやるよ」 「あぅうあああ…」 チンピラ男は その男のスーツにあるポケットの中を探り始めた。
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