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とっさに僕はその席から
立ち上がり
車両の後ろの方へ移動した。
その男が嫌な雰囲気を出していたからだ。
アイツは吐く…
そんな気がした。
僕は昔
電車の中で酔っ払いに
ゲロを吐きかけられたことがあって
それ以降
僕は酔っ払いには近づかないようにしているのだ。
しばらくその
フラフラした男を遠目から見ていると
坊主頭の男に
その男は近づいていった。
吐くぞ…吐くぞ~
あのチンピラ
絶対キレるぞぉ~
僕は
少しウキウキしながその光景を目にしていた。
「う゛う゛ウオェェェエ!!」
僕の
予想は的中!
酔っ払いは
チンピラ男の目の前でゲロを吐き散らし
チンピラ男の靴にもゲロが飛び散った。
うわぁ~
キレるぞぉ~
「オラァ!!
テメェなにゲロ吐いてんだよ!!
靴にかかったじゃねぇか!」
やはりチンピラ男がキレその男の胸ぐらを掴み
電車の近くのドアに押し付けだした。
「オラァ、テメェただじゃおかねぇからな!
お前この靴いくらしたと思ってんだぁ!」
「う…あ゛あ゛あ゛ぁ」
酔っ払いは唸るだけだ。
「チッ!
こいつ喋れねぇくらい酔ってんのか…
しゃあねえ
財布だせよ!
今回は金出せば許してやるよ」
「あぅうあああ…」
チンピラ男は
その男のスーツにあるポケットの中を探り始めた。
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