9/22 PM9:00 山岡 圭介

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ガン! ガン! ガン! 車内にはしばらくの間鈍い音が響き続けた。 しばらくすると 酔っ払い男は力が抜けたように倒れた。 酔っ払い男はピクリともしない… すると 今度はチンピラ男が激しく痙攣を起こし始め、床に倒れた。 倒れてもプルプルと激しく痙攣を起こしている。 とその時 さっき 僕の前の座席に座っていた、メガネをかけた男が座席から立ち上がり 倒れている男達の近くに駆け寄った。 「誰か手を貸してください!」 しかし 誰もが彼の方を見るだけで動こうとしない… 「私、医療に携わっている者なんですが、 この人達このままでは命を落としてしまうかもしれないんです!」 だったら さっきのケンカのうちに止めとけよ… 「じゃあ誰でもいいから救急車を!!」 すると近くにいた 中年くらいのサラリーマンが電話をかけ始めた。 医者の男はそれを確認すると チンピラ男の噛まれた辺りをハンカチで押さえ始めた。 しかし 血が止まらなく 辺りには血溜まりが池のようになっていた。 さすがに 見ていられなかったのか 周囲にいた人達が医者の男に何かできないことはないかと聞き始めた。 「それでは…ハン」 医者の男がそう言おうとした瞬間だった。 前に倒れていたチンピラ男がむくっと起き上がり 医者の男の首に噛みついた!!
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