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上川「失礼します」
相澤の話を遮る声。
病室のドアを開けて入ってきたのは、斬龍隊のメンバーの上川・三沢・椎羅木・井上・捺川の5人だった。
三沢「あ、お邪魔でしたか?」
大石「いや、大丈夫だ。さっきも凄く邪魔なのがいたから」
上川「?ま、まあそれじゃあ遠慮なく」
そこまで広くない個室に7人もの人間がいるため、一気に気温が上がった気がした。
椎羅木「お怪我の方は大丈夫ですか?」
軍医の椎羅木は心配そうに相澤を見つめる。こういう時、椎羅木が本当に軍医であることを認識させられる。普段はあまり……というよりも、かなり医者から掛け離れている。
相澤「気分は良いみたいです、体中が痛いですけど」
椎羅木「では安静にしておいた方が良いですね。もしかすると砲弾やミサイルの化学物質で被爆している可能性もありますから、具合が悪くなったらすぐに言うんですよ?」
相澤「はい、わかりました」
大石「ところで、皆で何しに来たの?」
捺川「そりゃあもちろんお見舞いだろ。仲間がやられたんだから」
大石「他の連中は?」
上川「メカニック班はフル稼働ですよ、すぐにでも出撃出来るようにしています」
大石「出撃するのか?」
井上「神童大佐からは休めと言われていますが」
三沢「ハリー隊長はやる気みたいですよ、もちろん私達も」
大石「だろうと思ったよ。まあそれが斬龍隊なんだろうがな」
ため息をつく大石。でもそれは、決して悪い意味でなく、むしろその表情は柔らかく明るかった。
相澤「では私も──」
椎羅木「ダメです。貴女は怪我人なんですからお留守番ですよ、大石中尉と」
大石「えっ!?俺もなの!?」
捺川「そりゃあお前、婚約者なんだから一緒に居てやれよ」
大石「そうだけどさ……」
三沢「整備士は戦場では役に立ちませんよ」
大石「うっ、酷いこと言うな……」
上川「まあそういうことですから、ゆっくりしていてください。大丈夫、斬龍隊は離れてても一つですから」
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