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大石「結果的には焔のやったことは離反だ。そしてあまつさえ、俺達に刃を向けた。
だけどさ、俺達が今からやろうとしていること、神童大佐が成そうとしていること、方法は違っても、結局は同じだろう?俺達はASAとしてではなく、斬龍隊として行動しようとしてんだ。
焔は個人で動いたが、個人と集団の違いだけで、別に変わりはない。
ってことは、俺達は焔と同類。いや、同じ道を歩もうとしている。ならさ、焔も斬龍隊なんじゃねえのか?」
ハリー「それは違うな」
突然聞こえてきたこの場にいない人の声。病室のドアの方へ目を向けると、そこにはハリーが立っていた。
大石の目つきが鋭くなり、まるでハリーに敵対心を抱くかのようにする。
大石「何が違うんだ?」
ハリー「奴は斬龍隊を離反した、その事実こそが奴はすでに斬龍隊でないということだ」
大石「離反したって、結局は俺達も同じことをしようとしてるんだ。そしたら俺達もASAから離反するってことかよ」
ハリー「ああ、そうなるな」
大石「はあ?お前何を言って──」
ハリーは手を挙げ、大石の言葉を制した。そして、この場にいる全員の顔を見て、問い掛ける。
ハリー「これは隊長としての独断だ。賛同しかねるのならそれでもいい。
これより斬龍隊はASAを離れ独断で行動する。もう後戻りも出来ん、生きて帰ることもままならないだろう。それでも俺は行こうと思う、もはやこれは意地の問題だ。俺は一人でも行く、焔と同じようにな。
矛盾しているかもしれないが、俺はアイツと刃を交えて気づかされた。アイツは俺達とは比べものにならないものを背負っているのだと。だから俺もそれを背負いたい。だがそれを、皆に強要することは──」
捺川「何を言ってんだ、お前。斬龍隊は元々ASAの面汚しだ、今更何したって関係ないだろう」
上川「それに、私達は決めたんですよ?斬龍隊に居るって」
三沢「ずっとハリー隊長についていくと」
ハリー「皆……」
大石「全く、人騒がせだな、お前」
大石はまたため息をついた。そして、ハリーに向けて親指を立てる。
大石「隊長さん、一発かましてやれ。奴らに斬龍隊を教えてやんだよ」
ハリー「ああ」
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