プロローグ

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 ベンは裁判にてなんとか無罪判決を勝ち取った。だが警察は、真犯人を捜そうとはしない。その頃は第三次世界大戦で情勢が厳しかった。そのため、事件の噂はすぐに収束し、ベンは仕事を失い、絶望の縁に立たされたのだ。  生きる望みを失ったベンは復讐を誓った。自分の娘を死なせた人間は誰だか分からないが、一人ではない。そして周りの人間はそれを隠し、世論はベンがやったのだと思い込んでいる。 全てが敵だった。ベンにとって、全てが悪いのだ。 娘を殺したのは世界、この世界自体なんだと、ベンは思うようになった。 そして決意した。『世界を滅ぼす』と。  ──ベン・ガリュートはただの科学者ではない。いわゆる天才だ。しかも同じ科学者でも理解出来ないほどの演算能力を持ち、生きたスーパーコンピューターと言ってもいい。 そんな彼が復讐を誓い、すぐに作り出したのが、人工知能だ。 誰も成し遂げられなかった人工知能の開発を、たった一人で完成させた。 娘そっくりの容姿をした人工知能のアバター、ベンの娘に対する強い愛情と執念の現れだ。 そしてその子に、魂を入れてやった。 ベン「君の名はドラグーンだ。いいかい?君の役目は、世界を管理すること。増えすぎたこの醜い人類を滅ぼし、生き残りがまた増えたら滅ぼす。そうして、世界をコントロールしていくんだよ。いいね?」 ドラグーン『──はい、パパ』
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