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「『深い闇』…」
僕は自然とつぶやいていた。
「え?サワちゃん、さっきの曲知ってるの?」
真希が僕の顔を覗いてきた。
「うーんと…まあね。」
この曲のせいで架空請求がきた、なんてとても恥ずかしくて言えない。
「へ~意外だね。サワちゃんって山瀬まきしか聴かないと思ってた。」
「そんなわけないだろ!僕だっていろんな曲聴くよ!それに僕が山瀬まきを好きな理由は…」
言葉が詰まった。
小さな頃に真希と約束したんだ…
「理由があるの?」
「覚えてないなら別にいいよ…」
「気になるじゃん。」
僕はとっさに話題を変えた。
「ところで、なんでさっきの曲持ってたんだよ?」
「ああ、これね。」
真希は鞄から一枚のCDを出した。
「この曲は私の友達が歌っててね、良かったからCDもらったんだ。」
友達?
そういえばCDショップの店長が自分の娘って言ってたな。
だからこの辺りに住んでて、真希と友達なのか。
「あっ!もう塾の時間だ!じゃあまた今度ね♪」
「ああ。そうめんありがとな。」
「うん!」
そう言うと真希は急いで帰っていった。
家に着いてから、僕はあることを調べた。
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