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そのサイトはいわゆる出会い系というものだった。
「とにかくすぐに退会したほうがいい。」
「わかった!…って、あれ?おかしいな…」
登録したはずのパスワードをいれても、会員用のページに入れないのだ。
「これじゃ退会できないじゃん!」
「自業自得だな。」
知樹はからかいながら言った。
「冗談抜きで助けてくれよ、ともきぃ~」
「わかったよ。その代わりにジュース1ヶ月分な♪」
「え~」
「嫌ならいいけど。幸平が借金抱えて自殺しようとしても、俺には全く関係ないからな。」
「うっ…わかった!お願いします、知樹様!」
僕は大きく頭を下げた。
顔を上げると知樹は目を瞑って腕を組んでいた。
知樹がそうなるときは、いつも真剣になるときだ。
僕は知樹が口を開くのを待っていた。
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