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「…一番いい方法思い付いたぞ。」
知樹は落ち着いた声でそう言った。
「どんな方法?」
「未成年なのに間違えて登録してました。ごめんなさい。って謝る。」
知樹の言ったことは僕でも簡単に思いつくような答えだった。
「真面目に考えてくれよ…」
「バーカ。よく考えてみろ。18禁のサイトを未成年に使わせてバレたら、そのサイト自体が問題になるだろ。そんで閉鎖せざるを得ない状況になったらどうなる?」
「…利用者から金が取れなくなる。」
「そう。そうなると運営者としては困るわけ。」
「なるほど!だから僕を強制で辞めさせたほうが都合がいいんだ!」
「ああ。でも、ただ…」
知樹は不安そうな顔で僕を見た。
「ただ?」
「幸平の誕生日って確か4月9日だよな?」
「うん。でも、なんで?」
「ちょうど1ヶ月後にお前は18歳になる。そうなると、もう取り返しがつかなくなるぞ。」
僕はがっくりと肩を落とした。
「1ヶ月でなんとかなるかな?」
「心配すんな。俺がなんとかしてやるよ。」
知樹はこういうとき頼りになる。
その日はしばらく様子を見ようということで帰った。
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