440人が本棚に入れています
本棚に追加
/712ページ
そもそも、なんで俺はこんな所に居るんだろう?
真っ白な空間には、何処にも入口なんてものはない。産まれた瞬間からここにいた様な気もしてきた。
……埒が明かない。一先ず自分のことについて考えるのは辞めよう。
目の前の彼女は誰なのだろう?
ずっと一緒だったような気がするのに名前さえ分からない。
この不思議な空間の中で、唯一はっきりと認識できる少女も、外見以外俺の知る所はなかった。
彼女は相変わらず、無表情で俺を見つめているだけで何も喋らなかった。
が──
不意に後ろに振り返り、俺の元から走り去っていった。
最初のコメントを投稿しよう!