第一章 狼

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みるみる小さくなっていく彼女の背中。 もう少し冷静ならば、遠近法でこの空間は広いなとか思っていたところだろう。 ただ、少女がいきなり走りだしてから俺は冷静さを欠いていた。こんな何もない空間に一人残されたら俺はどうなってしまうのか? 彼女が俺から離れていくことに俺は恐怖を感じていた。 (一人にしないで!) そんな感情がわいてきた。 俺は、右手を走り去っていく少女の背中に伸ばして叫んだ。 「ちょっと待ってくれ!」
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