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みるみる小さくなっていく彼女の背中。
もう少し冷静ならば、遠近法でこの空間は広いなとか思っていたところだろう。
ただ、少女がいきなり走りだしてから俺は冷静さを欠いていた。こんな何もない空間に一人残されたら俺はどうなってしまうのか?
彼女が俺から離れていくことに俺は恐怖を感じていた。
(一人にしないで!)
そんな感情がわいてきた。
俺は、右手を走り去っていく少女の背中に伸ばして叫んだ。
「ちょっと待ってくれ!」
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