65人が本棚に入れています
本棚に追加
また男が殴りかかってこようとした所でようやく事態がいい方向に向いてくださいました。
「道を開けろ!」
数人の鎧を着た兵士らしき方達が叫びながら野次馬達を退かします。
「お前たち!白昼堂々何をやっている!」
良かった。見回りの兵士の方のようですね。騒ぎを聞きつけて急いでやってきたようです。
ですが、これでようやく…
「兵士さんよぉ、あのフード被った根暗をトッ捕まえちまなよ!アイツがふっかけてきやがったんだからさぁ!」
………………。
「そうだぜ。アイツ、人を使ってオレらを襲わせたんだ。」
………………。
それに続くように野次馬達が兵士に言いふらす。
「むっ!そうなのか。…そこのフードの者!大人しく縛につけ!」
そう言って私を取り囲むように兵士たちは広がった。もちろん、手に持っている得物たる無骨な鉄槍をこちらに向けて…
「………私は何も関係」
「口答えせずにさっさと連行されんか!」
……あ~、プッチーンきましたね…
「貴様さえ大人しく捕まれば…」
私はゆっくりと右脚を上に上げていきます。その行動を見て兵士長らしき方は話すことを止めて構えを厳しくします。…攻撃だと思われたのでしょう。
まぁ、そうですが…
そして地面と垂直になるまで脚を上げた後、それを真っ直ぐ下に堕としました。…所謂、踵落としです。
直後、大地が大きく揺れた。王都ごと揺れる巨大な地震は地面に立つ生物を平等に地面に伏せさした。……ただ一人を除いて。
「はぁ…いい加減私の言うことを聞いて下さいよ。最初から聞いて下されば実力行使などしなかったのですが…」
ホントに疲れました。
周りの野次馬達を含めて兵士達も皆地面に座り込んでいます。
「それで?話を聞いてくれる気になりましたか?」
そう伝えると兵士意外にも二人組も無言で頷いていました。……少し気分爽快です。
「私はただ巻き込まれただけです。なのに、そこにいる二人組の方達が早とちりをして私に殴りかかってきたんです。わかりましたか?」
「あの男はアンタにやれって言われたって…」
ジーナさん?あなたの脳力レベルはお馬鹿さんクラスなのですか?
最初のコメントを投稿しよう!