運び屋

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念話とは、魔法を使った一定の意識の共有……らしいですね。 私自身は念話は使えないので詳しくは知りませんが… 少しの時が経つと兵士がこめかみから手をどけました。 「貴様、運び屋とか言ったな?ついて来い。」 兵士の方が扉を開けて進んで行きます。 私はもう1人の兵士に軽くお辞儀をしてからあとを追いかけました。 門からお屋敷までは多少距離があるようなので周りの風景が自然と目に入って来てしまいます。 「これはこれは。とても良い庭園のようですね。管理が隅々まで行き届いています。」 「………………。」 この方、現実問題でご友人の方達などはいらっしゃるのでしょうか? 完璧に無視されたことに僅かに機嫌を損ねながらも兵士の後についていき屋敷の中まで通された私の前には煌びやかな装飾がなされた取っ手の付いた扉が。 ここのようですね。 コンコンッ… 「失礼致します。客人を連れてまいりました。」 そう言って開かれた扉の奥に通された私は中の様子を確認します。 部屋の奥には大きめのベッドが設置され、その周りには医者の方や使用人の方々、それとここの屋敷の主であろう男性の方が見受けられました。 ベッドの上には綺麗なご婦人が寝ていらっしゃいますが、何やら苦しそうです。
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