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「逃げる前に聖に砂を掛けるわ、死体を漁ると言う死者冒涜行為をするわ…、やることがむちゃくちゃだ!」
「だから?」
クラフトの言う意味に心底意味を、理解しかねているレオンは真顔でそう訪ねる。
「そんな道徳心などレオンには意味ないぞ。」
それに答えたのはゼファイスだ。
「…あぁ、騎士道精神が…」
頭を抱えてクラフトは悶える。
「だが、漁った武器の支給を受け、聖を見捨てて逃げたお前にそれを語る権利はないがな…」
ゼファイスもいたって素の声でそう紡いだ。
「…はっ、しまった!?」
大袈裟にクラフトは声を上げる。
「今までのは俺を嵌める悪魔の餃子の誘惑だったのか!
このままでは騎士にはなれなくなってしまう。」
「…貴様」
その言葉に反応したレオンはクラフトの頭を鷲掴みにし、低い声でそう呟いた。
「だって、お前は悪魔のように残酷で、餃子のようにしつこいじゃ…いや、待って待って、HP減ってるマジで!」
鷲掴みにしている手首を両手で抑え、クラフトはわめき散らす。
「まあ騎士には、悪行重ねるとクラスチェンジできないらしいからな…」
ゼファイスはため息とともに、強くデータベースを指で叩きそう言うと…
「ただ少し静かにしろよ!」
と、怒鳴った。
「…すまん」
じゃれ合ってる二人はそう回答して、離れた。
「…ところでクラフト」
「ん、なんだよ?」
離れて少し経ってからレオンは、素でクラフトの名を呼ぶ。
「重い槍はお前が持ってるのか?」
「…まあ人並みには…」
そうクラフトが答えると…
「威力が高いなら、俺にくれ。」
「…」
風が吹いた。無言の空気に、二人の髪の毛だけが揺れる。
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