3人が本棚に入れています
本棚に追加
「うーん…」
ふと聞こえた彼の声は、不思議な重さとダルさを含んでいた。
「うむ、そろそろだとは思ってたが…」
不意に聞こえた懐かしい声、そして…
「痛!?」
感じるはずの無い痛みと共に彼は起き上がった。
「目覚めたか。」
低い別の声で彼に問いかけた。
「あ、あれ?」
ようやく体を起こした彼は声の方向を見つめた。
「あれ?じゃない。お前、何を見た?」
そう紡いだのは、うっすらとした褐色の肌と、光を反射する紫白色の長い髪を紐で束ねる姿が特徴的な細身の青年だった。
「あ、孝…いやこっちではゼファイスか?」
「ギリセーフだ。認識は問題ないな。」
その紫白色の髪を持つ青年、ゼファイスに諭され、ゆっくりと彼は認識を改めてゆく。
「さて、これで全員だな。」
そう更に重ねた言葉を紡いだのは、ゼファイスの後ろに立つ長身で、深紅の特徴的な瞳を持った、短い黒髪の同じ歳くらいの青年だった。
「だな。」
そして、その右側に立つのは、やや脂質を含んだ筋肉質な肉体と、眼鏡をかけたつり目が特徴の、青髪が特徴的なやはり同じ年くらいの青年。
今目覚めた彼の周りに、その三人が立っていた。
「もしかして、俺が最後?」
そう聞いた彼は、少しボサボサな赤い髪の毛と、左右非対称な青と赤の瞳が印象的な、中肉中背の青年。
「運の良い奴め…」
長身の青年はそう言うと欠伸をして、さもつまらなさそうにそっぽを向いた。
最初のコメントを投稿しよう!