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ひとり暮らしなのだから、当然この部屋には自分1人しか居ないはずなのだが。
恐る恐る振り向くと、自分が寝ていたそのベッドの壁際に見知らない男が寝転んでいる。
「…。」
内心叫びたいほど驚いているのだか、咄嗟に声が出てこない。
「…聞いてんの?」
目が隠れる程伸びた黒髪に痩身のその男は、自分を見たまま動かない刹那に問いかけた。
「だ、誰ですかあなた、ひとの部屋勝手に入らないでっ!」
少し冷えてきた頭で、思い付いた事を片っ端から言い放った。
「…。」
今度は男の方が呆然と此方を見る。
「し、っしかも人のベッドで寝るなんて私女の子なのにありえっ」
「あのさ。」
息つく間も無く言い立てる刹那の言葉を遮って、男は言った。
「ここ、俺の部屋だから。」
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