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「おやぁ、ユウは外へ行かなかったのかい。」
「どうしたの元気がないね~。あれまぁ、ほっぺの傷はどうしたんだい。」
ばぁちゃんが、私に聞いてきた。
『自分でひっかい・・・』
言いかけて私は、ばぁちゃんの顔を見て気が緩み、うるうるしてきた。
そして涙が一粒、ほほを流れた。
「ばぁちゃんに話してご覧・・・。痛かったなぁ~。」
『うん・・・。』
涙がぽとり。
『同じクラスの由美が意地悪するの。』
『つねったり、ひっかいたり。先生に見えないようにって、スカートで隠れた太ももをつねったりするの。』
『でも、よけい意地悪されるから、嫌だって、やめてって、言えなかったの・・・。』
今度は大粒の涙が、ぽたぽた落ちた。
ぱぱに見られなくて、よかった・・・。
「痛かったなぁ~。」
私の頭をなでながら、ばぁちゃんは昔の話を語り始めた・・・。
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