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「パパが小学校に入った頃、ばぁちゃんはパパを学校近くの児童クラブへ預けて、働いていたんだよ。
その頃はまだ身体も小さくて、おとなしかったパパを、ひとりぼっちで留守番なんて、させられなかったからね。
でも、そこにはガキ大将の剛くんもいた。
児童クラブの先生の目を盗んでは、みんなに意地悪をしていたんだねぇ。
たたいたり、つねったり、人の物を取り上げたり、こわしたり。
パパは、そのことを言えずに、ころんだとか、なくしたとか、そう言って隠していたんだよ。」
・・・ばぁちゃんの話に、私の涙はいつしか止まっていた。
「ある日、剛くんは、パパと一つ年下の雅夫くんに、命令したんだよ。
どちらが強いか死ぬ気で“戦いごっこ”しろって。」
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