プロローグ

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とりあえず今はさっさとこの恥ずかしーく目だーつ情況から逃げるべきだろうし。 という訳で俺はさっきから実行している『他人のフリ作戦』の仕上げに移ることにしした。 「え…あの…はい?待ち合わせ?えぇ?知らないッスないッス」 「んぐぐぐぐ…とぼけやがってぇぇ…!馬鹿こー吉!阿呆こー吉ぃ!!」 「ちょっとちょっとー人を阿呆よわばりすんのやめてくれませんかー?凄く嫌な気持ちになりますよーもー。てかこー吉って誰ッスか?スカスカスカ」 「んぐぐぐ……ぐ…う…」 「スカスカスカスカ……ん?」 スカを連発していると目の前の幼馴染みは俯き加減に表情を読み取らせなくなった。ブラウンな前髪のカーテンはさら、とも動かない。 あ……これは…ヤバい…やり過ぎたか? 額から嫌な汗が流れ出るのと一緒に血の暖かさまでが引いていくのが分かる。こんなことならからかわなきゃよかったぜ、まったく。 反省しつつ俺は廊下で立ちすくむ女をどうやって人気のない所まで輸送するかを考えていた。 とりあえずこの注目度120%の場所からこいつを引きはがすことが出来れば大丈夫だ。これで問題ない、うん。ナイスアイディア俺。 さて、まず最初にすべきなのはここで小声で謝って……後は流れに身を任せる的な受動的動作によってさらりと手を掴んで移動させるべきだな。置いていくっつう選択肢もあるがそんなのは選ぶハズもない。酷すぎるだろう。
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