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「あっあんた……馬鹿…でしょ……もう」
「いや…本当にスマンかった」
呆れつつも何故か頬を赤らめている奈々魅は自分を背負って校内を全力疾走したあげく、廊下に情けなくへばっている俺をジト目で見詰めていた。
……そりゃそうだ。朝っぱらから約束を守らない幼馴染みから追い撃ちかけられるように強制公開おんぶ疾走だ。俺だったら途中で頭でも殴って逃げるだろうな。
むしろさっさと殴られて償いをしたい。まあ、それでおさまるならだが。
「………あれ?殴らないのか?」
だがいつまでたっても殴られる気配がしないので、恐る恐る顔をあげてそう聞いてみる。
「殴る程の事ではないでしょ…もう。………てゆーか殴らないけどね、反省してる?は・ん・せ・い!」
「平にお許し下さい。二度とこのようなことは繰り返しませぬ、姫」
「誰が姫よ!……もうっ…あたし一人で待ってたんだから……馬鹿みたいじゃない……」
「はっ?何か仰せになられましたか、姫」
「うるさい!あと姫とか言うな!!」
頭をはたかれた。痛ぇ…クソ。殴らないっつったじゃねぇかよ。
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