プロローグ

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俺が無言の抗議を視線に乗せて送っていると丁度予鈴が鳴りはじめた。 「ヤバッ!奈々魅、走るぞ!HRに遅刻するっ!!」 「あんたのせいで遅れたんでしょ!あーもー初日からこんなんなんて最ッ悪!!馬鹿こー吉っ!!」 そう怒るな、ハゲるぞ。 「ハゲないわよっ!!」 「ぶぷぶぅっ!?なんでわかったんだよ!!」 「こ…のっ……あんた本当に思ってたわねっ!」 「い、いやっ!!何にも思ってないっす!!」 いかん、危ない危ない…。こいつ超能力者かなんかかよ!?マジ危ねー!! 「と…とりあえずさ、話してる暇なんかガチでねーから……じゃあまた放課後な!!」 「あっ!ちょっと!!放課後って……」 なにやら訝しんでいるようだったが、生憎予鈴がもうすぐ終わりそうなので踵を返して二階にある教室に向かう。 大体こんな生き恥を晒した日の放課後に、間接的原因でもあるお前に会ってやること自体がどんだけ面倒臭いことか分かってんのかよ、クソ。あー恥ずかしい。 因みに俺が必死こいて向かってる教室は少々特殊で、普通ならば階ごとに学年が割り振られているが今回の入試での倍率がいつも高倍率な例年よりも更に高倍率になっていたおかげでクラスが一つ分増えた事によって他学年の階に食い込む形になっていた。 そしてそのはみ出しクラスは一年六組。そして俺所属のクラスも一年六組。 最初は他学年の階で過ごすなんて嫌だったけど、ありがとう。この状況じゃありがたい限りだ。
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