入学式

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永翔「得意な属性は無属性です。」 そう言った瞬間永翔にも驚いたような視線を向ける生徒達。 何人かは知っているようで、声を出さず笑っている。 無属性は誰にでも使え、とても簡単に習得でき、戦闘で使える魔法は身体強化くらいなので、それが得意と言った永翔はとても不思議に思われたからだ。 魔法は無、火、水、氷、土、風、雷、嵐、闇、光の10属性ある。 本来魔法というものは闇と光以外の8属性は鍛錬すれば誰でもつかえるものだ。 しかし永翔はいくら鍛錬しても無属性以外の魔法が使えないのである。 つまり、無属性だけしか使えない永翔は前代未聞であり、自動的に生まれながらの落ちこぼれという分類になってしまうからだ。 永翔(やっぱりこうなったか…無属性しか使えない事がばれるのも時間の問題だな…きっとまた…) 永翔は心の中で辛い過去の事を思いだしてしまい目を閉じてしまった。 今まで無属性しか使えないという事は出来る限りばらさないようにしてきたため知っているのは地元の人くらいだ。 永翔(どうせばれるなら…) 自分の中での決意が決まり、目をを開き自己紹介を再開した永翔「俺は無属性しか使えません。けど、無属性以外の魔法を習得するためにも頑張っていきたいと思います。一年間よろしくお願いします。」 どうせばれるなら自分からばらしたほうが楽だと思った永翔は、力強く握りこぶしをし、自分の決意を込めた自己紹介を終わらせた。
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