春よ…来い

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今でも沖田を忘れられずに居る自分を付かず離れずで支える藤田… 沖田に出逢わなければ、自然の流れで一緒になっていたかもしれない。 でも…それは仮定の話。 自分は沖田に出逢ってしまったし、夫婦にまでなった。 約束を信じて今もまだこの部屋で帰りを待っている。 「ねぇママ!」 急に話し掛けられて、ハッとなった。 碧の手には、新撰組縁の地巡りの本。 「ママは何処に行きたいの?」 写真が沢山載った頁を捲りながら、楽しそうに見ている。 (すっかり歴女になってしまった…)
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