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数秒間、沈黙が続いたが急に鳴海は何か悟ったのか、襟首を正して
鳴海「す、すまん………ごゆっくりぃぃぃ~~~!」
そう言うとダッシュで去って行った。
間違いなく、誤解されたな…
斎藤「ちっ! クソオタクが、邪魔しやがって…」
さっきとは、打って変わって怖い声だった。
真保「あの…斎藤くん?」
斎藤「ああ、ゴメンゴメン!…で返事は?」
丁重にお断りしたいのは山々だが今はそんなことより、鳴海だ!
彼の誤解を早く解かなくては!
私は斎藤くんの手を振りほどいた。
斎藤「え!? す、鈴代さん!?」
真保「すまない、君とは付き合えない!」
斎藤「なんで!?」
私は自分のカバンと鳴海のカバンを取り、教室を出ようとする
斎藤「待って! せめて理由だけでも…」
真保「すまない! 今は急いでいるんだ! じゃ!」
斎藤「そんな…」
斎藤くんは何か言いかけたが私は聞きもせず、教室を飛び出した。
まずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずい!!
なんで、鳴海なんだ!?
相変わらず間の悪いというか…
真保「安斎さんのことといい、私の恋は前途多難だな、コノヤロ~!」
私が思わず叫んでいると、中庭に人影が見えた。
窓から覗いて見ると、鳴海だった。
真保「見つけた!」
走って行くと、鳴海は中庭のベンチに座ってうなだれていた。
明らかに落ち込んでいる……
真保「そんなに私のこと……」
嬉しくなり、私は鳴海に近づいて声をかけた。
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