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「…別れてほしい。」
「…はッ?」
君が突然発した言葉に俺は、その言葉の意味を理解するに、数分かかった。
だって、それは"いつもの様"にバイト帰りの時、"いつもの様"に2人で帰っているときだったから。
「…お願いッ…別れて…。」
『冗談、冗談。(笑)ただ光の反応を見たかっただけ。(笑)』
って言ってよ。
言ってくれたら、今すぐとびっきりの反応をして、笑わしてあげるから。
なのにキミは、『別れてほしい。』の一点張りで、俺の横を走り抜けていった…。
一方俺はただただ、立ち尽くす事しかできなかった。
あれから、ボーっとしていることが多くなった。
「光くん、大丈夫?」
「…うぇッ?!!…お、おう!」
挙げ句の果てには、バイトの後輩の山田にまで心配される様だ。
あんな事が有った次の日、薮はバイトを止めた。
ー…そんなに、俺のことが嫌いだったんだ。
「…光くん…。」
今度は、裕翔まで暗い顔をして、近づいてきた。
「…光くんッ!あのねッ!!! 「裕翔!!」
裕翔が、喋ろうとした瞬間、山田が遮った。
ー…何?この異様な空気…?
「…裕翔、在庫のチェックしてきて…。」
「……うん…。」
裕翔は、暗い顔のまま倉庫の方に歩いていった。
「…おい…裕翔、大丈夫かよ…。」
「…大丈夫だよ、光くんは心配しないで。」
そして山田は、"ねっ!!"っと言いながら、俺の背中をおもいっきり殴った。
「あだぁッ!!!」
「ニヒヒ☆」
山田は、笑っていたけど、その表情はどこか悲しそうだった。
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