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だけど、ぼくはもう大人に近づいてきてるんだ。
怖くなんかないぞ!
痛いのなんてへっちゃらさ。
すぐに終わるさ。
しかもあの天使さんだぜ。楽勝だろ。
頑張れぼく!!
ギュイイイイイイイン
いやゃぁぁぁ〰〰〰〰〰!!!!
ままぁぁぁ〰〰!!助けてぇぇ〰〰!!
怖いよう怖いよう怖いよう怖いよう
やっぱり嫌だ。痛いの嫌だ。虫歯なんて治らなくても良い!!
この気持ちを天使さんに伝えおう
ぼく「やっぱり虫歯治してもらわなくても大丈夫です。また今度お願いします。」
天使「ダメですよ。虫歯は治さないとあとあと大変なことになります。怖くないですよ。すぐ終わりますよ。痛かったらすぐに手をあげてくれたら大丈夫。」
虫歯治さないと大変なことになるんだ。
怖くないし、すぐに終わるのか!
今、言ってくれた言葉がぼくを安心させてくれる。
天使さんすごいや!
ギュイイイイイイイン
覚悟を決めろぼく!
天使「すぐに終わるからね。いきますよ。」
ギュイイイイイイイン
痛い痛い痛い痛い痛〰〰〰〰〰〰〰い
天使さんの嘘つき
痛いじゃないか
ちょっと早い気もするが手をあげよう
✋
ギュイイイイイイイン
あれ?気づいてないのかな??
痛いよ〰
もう少しちゃんとあげよう
✋
ギュイイイイイイイン
…気づいてよ!
痛い痛い痛い!
ちょっと足をばたつかせてみよう
バタバタ
天使「?
あっ!手を挙げていたのねぼく。ごめんなさい。気づかなくて。もうすぐ終わるからね」
ギュイイイイイイイン
もうすぐ終わるのか、少し我慢してみよう。
…
やっぱり痛いよ〰
もう一度足をばたつかせてみる。
天使「こらこら。暴れたらダメだぞ。もうすぐ終わるからね。男の子なんだから我慢できるよね?」
ギュイイイイイイイン
もう無理もう無理もう無理
男の子関係ないやん
痛いよ〰
助けて〰
バタバタ
天使「痛いのですね。わかりました。あと少しの辛抱だよ。頑張って!」
ギュイイイイイイイン
ギャァァーーーーーー
痛いのわかってるのなら止めてくれよ
ギャァァーーーーーー
バタバタ
天使「もうすぐだからね!」
ギュイイイイイイイン
…(繰り返し)…
はぁはぁ…
やっと終わったか…
天使「はい終わりました。よく頑張りましたね。えらいえらい。またね。」
ぼく「ありがとうございました」
死ぬかと思った。
その日以来、この歯医者には悪魔と魔王が住んでいるという噂が広まった。
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