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…2012年6月9日…
「『日本は戦争なんてしない。だから自衛隊なんて無駄だ。』なんて行ってた俺が今や中隊長だ…。大学行っても就職決まらず、何となく自衛隊に入った。
「俺の人生ってなんなんだ?」
でも、悪くない仕事だ。成り行きはどうであれ…」
今では人に自慢できる仕事だ。俺は第一師団第一普通科連帯第一中隊長だ!!ってな。
ちなみに今は休暇中で、墨田区の妻の実家に来ている。
「あなた~」
遠くから妻の声が聞こえる。妻とは、大学時代からの付き合いだ。
「何?」
「夕食出来たわよ」
手招きされて、俺はリビングへ向かったら。
「守は?」
中学二年の息子の姿が見当たらない。
「守なら、女の子と一緒にスカイツリーに行ったわよ。」
妻は笑いながら答えた。
「女の子とだって!」
「彼女でもできたのかしら?」
笑いながら妻は答えた。
「ちょっと守に電話する。」
俺はポケットから携帯を取り出し、ダイヤルした。
「邪魔しないようにね。」
妻は食事を運びながら答えた。
「もしもし、守か?」
「なんだよ?」
「こんな時間まで彼女とデートか?」
半ばからかいながら聞いた。
「悪いかよ。」
少し恥ずかしがりながらも、答えた。
「デートするのはいいけど、変なことするなよ?」
「へっ、変なことってなんだよ…」
顔を赤くする守の姿が頭に浮かんだ。まったく、なんて親父だ。
「気にするな。早く帰って来いよ。じゃあな。」
ピッ。
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