† 今もこれからも†

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『モシモシ……』 まさか私からの電話と思ってない 冬馬は よそゆきのような口調で 電話に出た。 「モシモシ…」 『雪乃?えっ?何処から?携帯は? って言うより 何で 連絡してこんかったんや! もしかして…目…見えなくなった?』 一方的に 機関銃のように話す 冬馬。 「冬馬…ちょっと… 落ち着いて…一度に色々 言われても…」 『ゴメン、ゴメン、ビックリして… 目?大丈夫か?』 「ウン…」 『携帯は?』 「解約した…」 『何で?俺が連絡するからか?』 「それだけじゃないけど…目…見えなくなったら 携帯も使えないだろうし…」 久しぶりの冬馬の声。 どんなに久しぶりでも 全く そんな感じもさせないぐらい 普通に会話出来てる事が 嬉しく感じていた。 しばらくお互いの近況を話し 本題の 莉子と拓馬くんの事を話し始めた。 『そうなんや…ビックリやな…そっか…あの子が莉子ちゃんやったんかな…嫁はん入院した時に 拓馬と一緒に来た看護士さん… 別に悩む事 ないやん… 親子でラブラブって 凄いやん………』 冬馬の 軽いノリにため息をついた。 「本当…相変わらず…ポジティブだし…親子って?」 『そんな…お互い 好き同士なら ええやん… 親子共々やん…俺らも お互い好き同士なんちゃうん?』 (本当…変わってない…それが良いのか、悪いのか…) 「もし、二人が結婚とか…になったら… 凄く 複雑やん…」 『雪乃の心配性は健在やな…何が複雑やねん!別に 二人が結婚したいって言うなら させたらいいやん! 反対する理由…何かあるか?』 確かに 冬馬の言う通り 反対する理由などなかった。 『それより…これを機に…また 元に戻ろう… 俺は今でも 雪乃の事愛してるし ずっと 雪乃から 連絡 来るの待ってたんやで… 雪乃、俺の事 嫌いになった訳じゃないやろ?』
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