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俺が言うのもなんだけど、尾崎さんはチャラい。
美人の彼女がいるのに、可愛い子には目がないし、合コン三昧だし、浮気もする。
彼女がいれば、充分な気もするが、人を好きになったことがない俺にはなんとも言えない。
高校の時、一度だけ好きになりかけた子はいたけれど
祖父母が亡くなると同時に妹の病気も悪化して、それどころではなくなった。
たまに連絡が来るけれど、卒業してからはすっかり疎遠。
ああ、でもそうか。
恋愛なんてそんなものかもしれない。
離れてしまえば、それまで。
この世に1人、血のつながった妹より大切な人間なんて、現れる日がくる気がしない。
「じゃあ明日、遅番よろしくな」
そう言いながら、立ち上がった尾崎さん手にある携帯のサブウィンドウには
彼女の名前ではない女の子の名前が表示されていた。
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