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「おはようございまーす」 鈴のようによく通る、その声が聞こえた。 俺はたぶん この声を一生忘れないと思う。 「あ、里奈ちゃんおはよー」 村上さんが、声の方に視線を向ける。 「おはようございます村上さん…と…、えーと…はじめましてですよね?」 俺は、何故か振り返るのを躊躇った。 里奈。 「ああ、そうか。こいつが篠田だよ里奈ちゃん」 「はじめまして、相沢里奈です」 そう言われて、初めて振り返った先には、深々と頭を下げた女の子が一人。 ただ、それだけなのに 心臓が、波打った。
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