6人が本棚に入れています
本棚に追加
「与六達は、また喧嘩してるのか?」
軒先に一人座って、空を見ていた兼豊のもとに、お藤がお茶を持ってやって来た。
「はいっお茶です。」
「悪いのう。」
お藤がゆっくり隣に座る。
「でもあの子、頭が良すぎるから心配です。」
お藤は少し顔を逸らして俯きながら言う。
「大丈夫じゃよ。上杉は、義がある心配しなくても大丈夫。」
上杉家に悪い家臣はいない兼豊には、確信があった。
「すみません。誰かおりませんか?」
玄関の方から、女性の声が聞こえた。
「おや、お客さんかのう。」
最初のコメントを投稿しよう!