~北斗の出会い~

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「与六達は、また喧嘩してるのか?」 軒先に一人座って、空を見ていた兼豊のもとに、お藤がお茶を持ってやって来た。 「はいっお茶です。」 「悪いのう。」 お藤がゆっくり隣に座る。 「でもあの子、頭が良すぎるから心配です。」 お藤は少し顔を逸らして俯きながら言う。 「大丈夫じゃよ。上杉は、義がある心配しなくても大丈夫。」 上杉家に悪い家臣はいない兼豊には、確信があった。 「すみません。誰かおりませんか?」 玄関の方から、女性の声が聞こえた。 「おや、お客さんかのう。」
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