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繰り返される日々
「ねえっ! わ、私、覚えてるの。忘れてないのよ!」
朝の検温に訪れたナースの裾に掴みかかり、勢い余ってベッドから落ちそうになる。彼女は慌てて私の体を支えると、大げさなぐらい顔全体を使って驚いた。お互いにこみ上げる喜びを抑えきれなくなって、手をとりあい、わけのわからない言葉で叫んだ。会話は成り立っていなくとも、私たちの気持ちは間違いなく通じ合っていた。
「すぐにあの人に知らせなきゃ・・・・・・!」
今日は、いつもと違う一日が始まる。
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