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日々の暮らしの中、カシスは耳慣れない言葉を聞くことがありました。
それは“ツツジ”という言葉で、小さい動物達や町の人間達が口にするのです。
そういう事もあって、彼は“ツツジ”と聞くたび気になるようになったのです。
(“ツツジ”とは何だろう? なぜ他のものが知っていて私が知らないのか)
カシスは“ツツジ”が何なのか、知りたくて仕方ありませんでした。
誰かに聞けばいいのですが、変な意地が邪魔をして出来ません。
皆に頼られ尊敬されている事に、プライドを持っていたのです。
そんな時、怪我をした小さな動物が“ツツジ”と言うのを聞きました。
(これは“ツツジ”を知るチャンスかもしれない)
その動物が森の奥に逃げて行く後を、カシスはそっとつけて行きました。
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