3人が本棚に入れています
本棚に追加
/143ページ
剣界最南端に位置する小さな村、ジュネイル。そしてこの村の中枢には、一流の剣士を育て上げる施設、剣武道場がある。そこでは幼き子供達が将来立派な剣士となるべく日々腕を磨いていた。
だが、そこにジンの姿はなかった。彼は今、親友ブリッドと共に剣武道場の屋根上に居座っていた。不意に、ジンは空を見ながら呟いた。
ジン「早く剣武道会来ねえかなあ。」
ブリッド「ははっ!お前いっつもそれだな。」
剣武道会…それは、年に1度行われるジュネイルの正式な大会であり、見事優勝した者は晴れて剣士となるのである。
ジン「なあ。お前は剣士になんねえのか?」
ブリッド「ああ。別に剣士にならなくても生きていけるしな。」
ジン「うわっ、もったいねー!」
ブリッド「はあ?なんでさ。」
ジン「剣士はいいぞー。すぐ女が寄ってくるからな。仮にお前が剣士だとするだろ?」
ブリッド「俺は剣士にはならないって!」
ブリッドはジンの話を反らすように立ち上がった。だが、そんなブリッドにはお構いなしにジンはノリノリで語り始めた。
最初のコメントを投稿しよう!