お品書き

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 僕が中学生になり、それを一人前の準備段階に入ったと勝手に決めつけた両親は、日本を転々としながら仕事をする暴挙にでた。    両親が教育という名の家出をして一週間、早くも僕がインスタントに手を出してしまおうかとしていた頃。    それを見透かしていたかのように、両親から手紙が添えられた一つの荷物が届いた。    手紙にはこう書かれていた。    『そろそろインスタント食品に手をだそうとしている息子の卓円へ』    いきなりバレた。    『たくちゃん? たくまぁ? たーくちゃーん! 一週間が経ったけどちゃんと家事してますか? んーお母さんとしたら少し時期が早いかなぁ、と思ったけどお父さんの何とかなるの一言で始まって一週間。あなたもそろそろやる気を無くしてきた頃だと思ってこれを贈りました』    これって、この箱か。
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