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大丈夫、さびしくない。
電話の向こうの君はただそう繰り返す。
お互いにすれ違う日々。
君が僕から離れてく日々。
楽しかったあの思い出も、二人手を繋いだあの時も。
時間は全てを流して行くね。
二人の距離だって離れてく。
もう、戻れないのかなあ、あの頃に。
もう埋まらないのかなあ、二人の距離は。
こんなこと考えても、何も変わらない。
環状線の様に頭の中を同じ考えが巡る。
君はどう思ってるの?
臆病な僕は聞けずに、今日も溜め息。
そして、僕は独り家を出る。
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