落ちこぼれ少女の日常

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落ちこぼれ少女の日常

意識が覚醒を始める… 顔に不思議な感覚がある。 顔に手を翳(かざ)すと湿った感覚が手のひらに伝わっている… {レイナ、また悪い夢を見ていたの?} 瞼を開けたら私の頬を伝う涙を舐めているモジャモジャのテリア犬が私の意識に直接言葉を伝える… 精神感応というテレパシーの一種で私とは会話が出来る。 精神感応でマスターとのの会話が出来るのはフアミリアーの特殊能力で私の場合はこのテリア犬のフィルがフアミリアー。 フィルはどうやら私の魔法の波長と全く同じだから高レベルのファミリアーだからフィルが意識したら私の意識を借りて他の人にも話が出来るみたい。 理屈はよく解らないけど魔力の波長がピッタリ合っているのが理想的らしいんだけど大抵少し違う様だが… 魔力の波長が近くないとお互いの波長が反発した時にファミリアーが暴走する事があるみたいなんだけど… {もう4年以上前の事なんだから気にしない方がいいよ} そういって慰(なぐさ)めるかのフィルがまた顔を舐める。 あの日から数日間私は意識が戻らなかった。 そして大好きだったお兄ちゃんが突然居なくなってしまい、しばらくしたらお兄ちゃんとは双子の妹にあたるお姉ちゃんが突然居なくなってしまった… そして私は原因不明の呪いの様な何かによって成長しない体になってしまい、もうすぐ9歳なのに見た目は4歳のまま。 双子の妹のミレナは順調に背が伸びて並んで歩くと見た目だけなら姉妹に見間違えられる位の違いはある。 {そろそろアカデミーに行く準備をしないとまた遅刻するよ?} 「もうそんな時間なの?」 慌てて服を着替えて家から出ようとしたけど机の上にバスケットがあった。 どうやらミレナがお弁当を作ってくれていたみたい…
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