59人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねぇ、ハルナ。あなたにまだアイドルを目指す気はある?こんな辛い思いをしてまで、アイドルになろうと思う?」
「…」
返事が、出来なかった。
きっと芸能界は、これくらい乗り越えなくちゃ、やっていけない。
頭ではわかっている。でも私にはまだ、返事ができるだけの強さがなかった。
「一週間、時間をあげる」
「え…?」
「まだ、アイドルになりたいと思う気持ちがあるなら、一週間後の八時に社長室に来なさい」
一週間よく考えて、進むか退くか決めなさい。
そう言うと、玲さんはエレベーターホールへと踵を返した。
最初のコメントを投稿しよう!