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『お母さん、ハルの夢、いつも応援してるからね』
母の笑顔が、頭をよぎる。
いつだって応援してくれた母に、何と言っていいか分からない。
(どうしよう)
いい考えは浮かばないまま、エレベーターを降りて家の前に着く。
ハァ、と一つため息をついて、ドアに手をかけた。
「…ただいま」
「あら、おかえり。早かったね。今日もレッスンお疲れ様」
キッチンから顔を出して、早かったことに驚きつつも、いつもの笑顔を浮かべて出迎えてくれた母。
その笑顔を見て、玲さんの言葉を聞いてから初めて。
初めて、涙が零れた。
突然泣き出した私に、母は驚いたように、でも優しく声をかけた。
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