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玲さんの目はまっすぐこちらを捉えていて、冗談なんかじゃないってこと、すぐに分かった。
(分かった、けど…。)
「…どうして、ですか?」
納得できなくて、唇を強く噛み締める。
口の中に血の味が、広がった。
「あなたにはあのグループはふさわしくない。代わりの子ね、あなたも知ってる子よ。スクールに通ってる有理ちゃん。バックで踊ってもらったことあるでしょう?」
この世界は、実力社会。年なんか関係ない。実力があった方が上になる。
でも、よりによっていつもバックで踊ってた有理ちゃんが代わりだなんて。
いつも楽しそうにはじけるように笑う有理ちゃんが目に浮かぶ。
(…そんな)
目の前が、真っ暗になったような気がした。
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