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『レナ…ちゃんって学生さん?』
ペットボトルの水を片手に滝川さんが質問してきた。
「あ…はい。16歳で高校1年です」
『若いねー!!まだ高校生かぁ』
自分より年上とは思っていたけど、言葉ぶりからだいぶ年が離れているのかなと思った。
「滝川さんは…おいくつなんですか?」
『俺?レナちゃんからしたらおじさんだよ。24歳』
そう言って滝川さんは水を口に含んだ。
「おじさんなんかじゃないですよ」
私は手を横に振りながら応えた。
実際24歳をおじさんと言うには若過ぎる。
『レナちゃ『大輔っ!!!!!こんなとこにいたのか!!!リハ始めるぞ!!!』
滝川さんの声を遮って、関係者らしいおじさんがドアを開けて入ってきた。
『あ…はい!すぐ行きます!』
滝川さんはそう言って持っていたペットボトルを机の上に置いた。
『ごめんレナちゃん!すぐ戻るから少し待っててもらえるかな』
そう言って顔の前で手を合わせた。
「え…あ、はい」
私がそう応えると滝川さんは『ごめんね』と言って足早に部屋から出て行った。
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