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遠くからでは分からないが赤茶色の髪をした少年が真っ黒の門を見上げていた。
あの子が転入生か……
急ぐ様子もなく、俺は彼に近付く。
彼は俺に気付いてないのか口を薄らと開けて、なんとも間抜けな顔で門を見つめていた。
あぁ、そんな無防備だったら襲われるのに…
まぁいいか
俺の知ったことじゃない
「君が池上恭介くん?」
「はい?」
俺は目を疑った。
風で舞い上がる前髪の奥には、ぱっちりとした目に長いまつ毛、ぷっくりとした唇、思わず触りたくなるふわふわな髪
自分でも気付かないほど彼を凝視していた
おっと、自己紹介をしなければ…
「俺は副会長の如月暦です。よろしくお願いします」
ペコッと頭を下げると彼は目を輝かせて自己紹介、好きな物、嫌いな物、髪を触りたいと言った。
ん?髪を触りたい?
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