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「……しつけーぞ、ちび」
「ちび!?僕はちょっと標準より低いだけだ!」
「うっせ……叫ぶな黙れ…」
「無理ッ!」
「………………」
ガンッ!!!
掴んでいた手が今、僕のすぐ横の壁に穴を開けていた。
わ…わぁー本当に穴って開くんだぁ(棒読み
「うぜぇんだよ…俺は1人がいいって言ってんだ……意味は分かるよな?」
睨みだけで人が殺せそうなほどに冷たくて鋭くて射ぬくような目。
中心によった皺はいっそう深く刻み付けられている。
普通の人ならば失神寸前だろう、もしくは、すぐにこの場から逃げ出すだろう……いや…腰が抜けて動けないかもな…
僕だって例外じゃない…頭の天辺から爪先まで震えているのだから
それでも僕は口を開く。
「分かりません」
ひぇぇえぇぇ!
「…テメェ……ふざけてんのか…?」
「めっ滅相もございません!そのようなことはこれっぽっちも思っております!」
「思ってんじゃねーか…」
グッ
イケメンさんは胸ぐらを掴み睨み続ける。
「……精々俺の邪魔はしないことだな…」
そう言って手を放すとソファーに寝転がった。
えっ?と、言うことは…いていいの?
「あっ…ありがとう!!」
ドンッ
僕の横を物凄い速さで通りすぎ後ろの壁に当たった。
恐る恐る振り返ると、無惨に中の綿が飛び出したクッションがあった。
「…うっせぇ…」
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